オフィスの恋愛事情
「来なかったら」




「来なかったら?」




「後で、色々困ることになるかもよ」



碧君は、真面目な顔で、私を見つめた。



「どういう、意味?」



「神宮寺さんに、みなおが、二股かけてたって、知られたら、困るんじゃない?」




切なげに、私を見つめる碧君。碧君は、本気だ。



「嘘だよ、私、二股なんて、かけてなかった。碧君と出掛けたときは、まだ悠斗と付き合ってなかった。言い寄られてて、どうしようかと思ってたところだったのよ」




「じゃあ、みなおと、お泊りしたことは?」



私は、軽蔑の眼差しで、碧君を見た。



「本気で言ってるの?」
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