オフィスの恋愛事情
そう言って、碧君は、もう一杯、ラム&コークをオーダーした。



私も、セブン&セブンを一緒に頼む。



碧君の目は、飲んだからなのか、いつもより黒目がちに、潤んでいた。



「確かに、今更かもしれないけど、元はと言えば、みなおが俺のこと、拒否したから、出鼻を挫かれたって言うか、みなおとは、付き合うって言うより、何か、曖昧な関係になるのかなって、思ったっていうか。あの時、俺とは、付き合うとかないからって、みなおが言ったとき、俺、凄い傷ついたの、分かった?」




「あ、わ、わかんなかった」



確かに、私、ひどいこと、言ったんだね、碧君に。碧君は、あの朝、私に凄く優しくしてくれたのに。




「私、ああいうことって、本当に無くて、自分で自分にびっくりしてたんだと思う。自分が言ったことも、あんまり覚えてなかったし。ごめんなさい」
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