PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
寧々ちゃんのメールは、いつもデコレーションがキラキラで元気だ。
今日は、頬の赤い黒熊のイラストが付いている。
〈お嬢おはよー! いつものとこでOK!?〉
毎朝わたしは寧々ちゃんと待ち合わせて、一緒に登校する。
〈おはよう。寝坊しないで起きたよ。また後でいつもの場所で〉
わたしは手早く返信して、ケータイを閉じた。
スマホにすればってよく言われるけど、機械の操作が極端に苦手なわたしは、これしか使えない。
おかげでいつも、ちょっとした変わり者扱いだ。
机の隣の小さな鏡台に向かって、わたしはブラシを手にした。
長い黒髪と、生まれつき青みがかった瞳。
子どものころからインドア派のおかげもあって、肌は白い。
この間、新学期の健康診断があったのだけれど、数字は残酷です。
身長は伸びてなくて、体重だけ増加。
小柄で、BMI指数的には非常に健康的な体重だ。ああ……。