PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
寧々ちゃんがわたしに抱き付いた。
「お嬢、一緒に行こ! あたし、今日の部活は規定練だけで上がるから!」
「やった! うん、一緒に行こう!」
わたしはポーチ越しにツルギに触れた。
トクン、トクン、と青獣珠の鼓動が伝わってくる。
三日月のアミュレットが朝日にきらめく。
この恋、叶いますように。
文徳先輩を思い出しながら、わたしは小さな三日月に念じる。
昨日、わたしを支えてくれた胸は温かかった。
力強い腕に、ずっと抱かれていたかった。
「お嬢、トリップしてるよ?」
「な、何でもないよ」
放課後のライヴが待ち遠しい。