PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
ぶるっと頭を振った煥先輩が、わたしと文徳先輩の脇を駆け抜けた。
まっすぐ突っ込んで行く。
障壁《ガード》は出さない。
放たれる矢は当たらないと知っているから。
緋炎《ひえん》の学ランがボウガンを投げ捨てたときにはもう遅い。
煥先輩のストレートパンチが学ランの頬に突き刺さる。
学ランはひっくり返って動かない。
煥先輩はボウガンを踏み付けて破壊する。
文徳先輩が呆れ笑いをした。
「まったく、無茶するよ。障壁《ガード》なしで突っ込むとは」
煥先輩が戻って来た。
わたしの目を、じっと見つめながら。