PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
淡々とした口ぶりで、要点が整理されている。
煥先輩はきっと、優等生と呼ばれるわたしなんかより、ずっと頭がいい。
わたしは混乱するばかりで、少しも眠れなかった。
「わたしがライヴの後にしたこと、文徳先輩には言ってないんですか?」
「言えるわけねぇだろ。あの夢の話をするのでさえ、イヤだった。兄貴は平然としてみせてたけど」
「……ごめんなさい」
煥先輩は、舌打ちしそうに口元を歪めた。
奥歯を噛み締めたのがわかる。
「あんなこと、二度とするな。亜美さんを刺しても、何も変わらねえ。白獣珠はツルギのままだし、時間は巻き戻る」