PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
胸が痛い。
心が冷え切って縮こまっている。
わたしのしたことが間違いだったと断言した煥先輩の怒りが、わたしを戒めている。
これでよかったんだ。きっと。
北口広場のほうへ歩き出してすぐ、文徳先輩が電信柱の陰から出てきた。
その後ろに、煥先輩もいる。
文徳先輩は笑顔で拍手した。
「さすが亜美だな。見事な剣捌《けんさば》き、恐れ入った」
「見てたわけ? さっさと助太刀に入ってよね」
「女剣士に見惚れてたんだよ」
「何だよ、それ?」
「たまには惚気《のろけ》てみようかと」
「しょうがないやつ」
文徳先輩と亜美先輩の隣が並んで立つと、二人ともスラリとして背が高くて、カッコよくてステキだった。