PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
煥先輩が不機嫌そうに言った。
「飲み物は尾張兄弟に買いに行かせた。いくら亜美さんが強いからって、安豊寺も一緒にいるだから危ねぇよ。敵の数が多かったら、ケガしてたかもしれない」
瑪都流にとって、わたしはお荷物だ。
ケンカなんかしたことないし、音楽も料理も何もできない。
亜美先輩が苦笑いした。
「今回はちょっと油断してたよ。次からは煥にも声かける。鈴蘭の護衛は、煥に任せるね」
「は? 何でオレなんだ?」
「あんたがいちばん強いでしょうが。それに、預かり手の事情もあるんでしょ?」