PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
北口広場に戻ったら、知らない人が瑪都流の輪に加わっていた。
「文徳~! やっぱいいねぇ、瑪都流のロックは!」
陽気な感じの男の人が文徳先輩の肩を叩いた。
襄陽学園の制服を着ている。
明るい色の髪、文徳先輩と同じくらいの長身。
カッコいいなって、とっさに思った。
垂れ気味の目が甘い雰囲気で、瞳の色はスカーレット。
文徳先輩がその人を紹介してくれた。
「こいつは長江理仁《ながえ・りひと》。一年のとき、同じクラスだったんだ。去年はフランスに高飛びしてたんだが」