PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
「やだな~、鈴蘭ちゃん。そんなにじーっと見つめられたら照れるって。おれ、『朱雀《すざく》』の名前のとおり赤くなっちゃうよ」
朱雀。四獣珠のチカラの源、四聖獣の一種。
じゃあ、この人も預かり手?
【積もる話はたくさんあるんだけど、今夜はちょっと遅いからね~。明日の昼休み、空いてる? っつーか、空けてくれる?】
「ひ、昼休みですか?」
突然、煥先輩が割って入って、わたしの手を長江先輩から引き離した。
「兄貴からあんたの話は聞いてる。朱獣珠《しゅじゅうしゅ》の預かり手なんだろ?」
「おっ、さすがヴォーカリスト! 滑舌いいじゃん。朱獣珠、噛まずに言うとは」
「この程度で噛むかよ」