PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
文徳先輩への恋は大きな痛手を受けた。
そのうえ、煥先輩からも嫌われている。
なのに、わたしは瑪都流《バァトル》と一緒にいなきゃいけない。
ため息をついたついでに、あくびが出た。
昨日はあんまり寝ていない。
放課後にライヴに行ったぶん、予習が十分にできなくて、夜更かしして頑張った。
担任の先生が教室に入ってきて、わたしは体を起こした。
先生は化学の教科担当で、のんびりした雰囲気の男の人だ。
化学の授業はちょっと眠い。
普段、進学科のホームルームは静かなんだけれど、今日は違った。
先生と一緒に、見慣れない女の子が教室に入ってきたせいだ。