PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
前の席の友達がわたしを振り返った。
「玉宮さんって、ちょっと鈴蘭と似てるね」
「似てる? そう?」
「髪がキレイなとことか、色白なとことか」
「玉宮さんのほうがよっぽど美人だよ」
「こら、美少女鈴蘭がそんなこと言うな」
「わたし、あんなにスタイルよくない」
「小柄で巨乳は最強よ、鈴蘭。マシュマロ乳」
「やめてー、もう。おなかとお尻と太ももにもお肉が」
玉宮さんの席はわたしのすぐ後ろだった。
わたしは首をかしげた。
わたしの後ろ、空席があった?
わたし、いちばん後ろじゃなかった?
違和感。
でも、自信がない。
うろ覚えや勘違いがありそうだ。
時間の巻き戻しのせいで、頭の中が混乱している。