PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―


ホームルームが終わって、わたしは後ろからツンツンつつかれた。


振り返ると、玉宮さんが微笑んでいる。



「髪、すごくキレイね。シャンプー、何使ってるの?」



意外と気さくに話す人なんだ。


美人だから近寄りがたい気がしたけれど。



「シャンプーは、椿油が素材の無添加のものなの。祖母が、すごくこだわる人で」


「ステキ! いいなぁ、肌にも髪にもよさそう」


「玉宮さんこそ、髪、キレイだね」


「ありがと! わたしのことは、小夜子でいいよ。呼び捨てOKです。えっと……」


「わたしは鈴蘭」


「えーっ、名前かわいい!」


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