PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
煥先輩はイヤそうに顔をしかめた。
「預かり手の性格に似るらしい。ふざけんなってんだ。オレはあんなにパニクらねぇよ」
「似てると思います」
「は?」
「あのっ、パニックになったっていうか、白獣珠は本気で怒ったんだと思います。殺されてはならない人が刺されて、それが許せなくて。
煥先輩もそうですよね。潔白で正しい感情だと、わたし、思います」
勢い込んで言い始めたものの、最後のほうは声がしぼんでしまった。
煥先輩はわたしに向き直って、微笑むのとは違う形に目を細めた。
文徳先輩が首をかしげた。
「また何かあったのか? 時間が巻き戻った?」
煥先輩はうなずいた。
「明日の昼休みから戻って来た」
「後でまた詳しく話せよ。履歴を記録しておく」