PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
亜美先輩が苦笑いで提案した。
「今回はちょっと油断してたよ。次からは煥にも声かける。鈴蘭の護衛は、煥に任せるね」
「わかってる」
北口広場に戻ったら、長江先輩がわたしたちに手を挙げて、与えられた台本をこなすように駆け寄ってきた。
「文徳~! やっぱいいねぇ、瑪都流《バァトル》のロックは!」
にこやかに応じる文徳先輩。
長江先輩のテレパシーがこっそりと告げる。
【っていう感じだったよね? しっかし、びっくりしたよ~。いっぺん完璧に死んだのがわかったからね、おれ。でも、ま、身の潔白の証明にはなったでしょ?】
かがみ込んでいた海牙さんがスッと立って、髪を掻き上げた。
顔には、計算された微笑みがある。
「さて。改めて自己紹介が必要、というわけですか?」