PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
わたしは平井さんに向き合った。
「ご存じかもしれませんが、安豊寺鈴蘭といいます。平井さんも能力者なんですか?」
【お察しのとおりだよ。私もチカラを使う。巻き戻しも感知している。数年後の未来で起こされた最初の巻き戻しはね、夢ではないのだよ】
声でない声が頭の中に響く。
長江先輩の号令《コマンド》と似た声だけれど、チカラの声量が圧倒的に違う。
平井さんの声には、凄まじい力感がある。
ひれ伏してしまいそうになる。
【ああ、声が大きくて、すまないね。そう硬くならないでほしい】
思っていることを読まれた?