PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―


夜更かしして勉強した。


あれこれ考えてしまって集中できなかった。


明け方近くにようやくベッドに入って、三時間くらいで目覚まし時計が鳴った。



四月十七日。巻き戻しが始まって三日目。


もっと長い時間を過ごしているのに、まだ三日目だ。



朝食のとき、母がわたしの様子に眉をひそめた。



「眠れなかったの?」


「いろいろあって」


「失恋でもしたのかしら?」


「何でもないよ」



母は機転が利いて、ウィットに富んでいて、話が上手で、そしてプライドが高くて容赦がない。


普段は母のこと好きだけれど、会話するのがきついときもある。



「何でもないという顔じゃないわ。恋の悩みじゃないの? それとも、青獣珠のこと?」


< 228 / 555 >

この作品をシェア

pagetop