PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
だけど。
「その言葉を信じる」
「煥先輩、どうして?」
「直感」
煥先輩は歩き出した。
立ち尽くすわたしを振り返って、あごをしゃくって、行くぞと告げる。
でも煥先輩はわたしを嫌っているんでしょう?
そう訊いてしまいたい衝動に駆られた。
煥先輩にとって、わたしを信じたり護衛したりすることは、きっと苦しいに違いない。
わたしは、訊けなかった。
あんたなんか嫌いだとハッキリ突き放されてしまったら、自分がどれだけ傷付くか、想像するのも怖かった。
わたしはずるくて臆病だ。