PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
小夜子が、ぱっちりした目を見張った。
「煥さんと知り合いなの? 紹介してくれるって、ほんと?」
「う、うん……大丈夫だと思う」
「じゃあ、お願い! 迷惑はかけないから! ちょっとだけ、煥さんと直接お話したいの!」
小夜子は、拝むみたいに両手を合わせた。
くるくる変わる表情がかわいい。
煥先輩も、小夜子のことをかわいいって思うよね。
胸がチクッとする。無理やり笑顔をつくる。
「放課後、瑪都流は軽音部の部室で練習してるの。部外者は近寄っちゃダメなんだけど、小夜子のこと、頼んでみるね」
「ありがと!」
わたしは三日月のアミュレットに触れた。
放課後まで時間がちゃんと流れますように、と願った。