PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
「四獣珠の預かり手は交流しないものでしょう?」
「基本的にはね。でも、こういう事態には仕方なくない?」
煥先輩が口を開いた。
「白虎の伊呂波のことも調べたのか?」
「ん、当然」
「じゃあ、話せ。オレのこのチカラは何なんだ? チカラがあるだけじゃない。時間の巻き戻しなんてものを感知できる。これはどういう状況なんだ?」
予想外の方向か、声がした。
「運命というものが、どういう姿をしているか、どういう比喩を以て語られるか、煥くんは聞いたことがありますか?」
海牙さんが貯水タンクの上から飛び降りてきた。
足音がたたない。