PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―


煥先輩が眉をひそめた。



「いつからそこにいた?」


「今日は早めに到着していましたよ。一時間くらい仮眠していました」



早めに到着って。



「授業サボったってことですか?」


「ええ、サボりましたよ。受ける価値のない低質な授業ってあるでしょう?」



この人、敵が多そう。


敵に回したくない不気味さもあるけれど。



煥先輩がスッと動いて、わたしをかばうように、わたしと海牙さんの間に立った。


制服の背中に、小さなほころびがある。


煥先輩は改めて海牙さんに問うた。



「運命の姿って、何だ?」



長江先輩と海牙さんが目配せした。


海牙さんが話し手になる。


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