PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―


原因とは、預かり手が禁忌を犯したことだ。


禁忌は、預かり守るべき宝珠に願いを掛けたこと。



海牙さんの視線は、わたしをとらえていた。


煥先輩の肩越しに、じっとわたしだけを。


海牙さんはやっぱり、わたしが違反者だと思っているの?



煥先輩が問いを重ねた。



「例え話はわかった。でも、前に聞いた話の繰り返しだ。表現を変えただけだろ。それとも、病んだ枝って例え方に意味があるのか?」



海牙さんが楽しそうに微笑んで、チラッと煥先輩を見やった。



「頭の回転、速いですね。的確な指摘です。一般的に考えてください。大きな樹の一枝が病気にかかったら、その樹はどうなるでしょうか?」


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