PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―


「十分じゃありませんか? この一枝の病因を取り除くのが、ぼくたちの役割。それも、できるだけ早いうちに。そうじゃなきゃ、すべてが崩壊するそうです。

困りますよ。ぼくにだって、将来やりたいことがある。運命を枯らしたくはないんです」



海牙さんがツルギの刃を発生させた。


ドクン、と強く青獣珠が鼓動した。


玄獣珠がチカラを発するのに呼応したんだ。



煥先輩はわたしの前をどかない。



「腑に落ちねえ。わからねぇことだらけだ。違反者が掛けた願いって何だ? 禁忌と巻き戻しと、何の関係がある? ツルギで殺すと時が巻き戻るのはなぜだ?」


「ぼくにもわかりませんよ。だからこそ、仮説と検証のために積極的に動いてみるしかないでしょう?」


「仮説だの検証だの、オレにはわからねえ。でも、一つわかる。あんた、あせってるだろ。時が巻き戻ったときの白獣珠みてぇだ。何をそんなに嫌がってんだ?」


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