PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
「待てって言ってんだよ!」
煥先輩が海牙さんを蹴り飛ばした。
海牙さんは、くるりと宙返りして降り立つ。
煥先輩との間に距離ができる。
「さすが、悪魔と恐れられるだけありますね」
煥先輩は両腕を前に突き出した。
手のひらの正面の空間が、まばゆい白に光る。
光は巨大な正六角形に広がった。
「突っ込んでくるなよ。焼け焦げるぜ」
「これが噂に聞く障壁《ガード》ですか。なぜそこまでして彼女をかばうんです?」
「話の運びに納得がいかねぇからだ」
白く透ける光の壁の向こうで、海牙さんが、ふぅっと大きく息をついた。
右手のツルギから刃が掻き消える。