PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
「銀髪の悪魔は、意外と平和主義者なんですね」
「普通だろ。いきなり斬り掛かるあんたのほうが変わってる」
「変わり者なのは自覚していますよ。仕方ないな。出直します。きみに出された三つの宿題、調べておきますよ」
「宿題?」
「違反者の願いの内容、禁忌と巻き戻しの関係、ツルギが巻き戻しの要因になる理由。その疑問が解ければ、きみも納得するんでしょう?」
煥先輩はうなずいて、質問を一つ付け加えた。
「兄貴の結婚式の未来、どの程度覚えてる?」
「おおよその印象、といった程度です」
「理仁は?」
「右に同じ」
みんな同じくらいの覚え方なんだ。
わたしもそう。
血の赤さだけはハッキリ覚えている。
倒れていた新郎新婦の正体には、後になって気付いた。