PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
嘘だって、ばれたのかもしれない。
小夜子は大げさに目を丸くしてみせて、冗談っぽく言った。
「寝不足って? もしかして彼氏?」
「彼氏だったらいいけど。予習と課題が終わらなくて」
「丁寧にやってるみたいだもんね。午前中の授業で、チラッと見えたんだけど」
「要領が悪いだけだよ」
先生が教室に入ってきて、会話を中断する。
小夜子との何でもない話のおかげで、少し気分がまぎれた。
小夜子は美人だし、いい子だ。
煥先輩に紹介しなきゃ。
授業が進んでいく。
わたしは集中しようとしてみたけれど、うまくいかなかった。