PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
「大好きです!」
放課後になった。
勝手なことをしたら怒られるかもしれないと思いながらも、引っ込みがつかなくて、わたしは小夜子を連れて軽音部室に向かった。
軽音部にはいくつものバンドが所属している。
部室は二つあって、人気と実力がナンバーワンのバンドが一つを占領する。
残りのバンドはもう一つをシェアする。
それが襄陽学園の軽音部のルールらしい。
今のナンバーワンは、当然のごとく瑪都流《バァトル》だ。
瑪都流が使っているほうの部室は、もう一方より少し狭いけれど、音響設備がすごくいいんだって。
そういう話を、小夜子に聞かせてあげた。
わたしもつい最近知ったばかりの情報だけれど。