PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
そういうわけで、本格的に練習を始めるまでに時間がかかった。
牛富先輩はしばらく笑い転げていたし、文徳先輩は煥先輩をからかい続けていたし、ブログ担当の雄先輩はスマホにメモを取っていたし。
最終的に、亜美先輩が男四人を取りまとめた。
「いい加減にしな」って叱咤《しった》して、頭を抱える煥先輩をマイクの前に立たせて、とりあえず事態収束。
「ほら、さっさと練習始める! 昨日のライヴの反省点、覚えてるよね? 一つずつ潰していくよ!」
ライヴの反省点は、活動記録のブログとは別の、鍵のかかったブログで共有しているんだって。
いくつかの項目を確認し合ううちに、みんなの表情が引き締まってくる。