PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
ギリギリのところで揺れる心そのものみたいな、攻撃的で繊細で泥だらけでキラキラした、アップテンポのロック。
生のドラムが全身にビリビリと響く。
高音質のシンセサイザーがまばゆい音色を放つ。
昨日のストリートライヴでは聴けなかった二つの楽器の叫びを、わたしは初めて体感している。
密閉された部屋の中では、音が空に吸い込まれる野外とは、すべての楽器の響き方が全然違う。
ベースの存在感は太くて、おなかの底を揺さぶられる。
ギターの高鳴りは、生き物の咆哮《ほうこう》みたいに躍動的だ。