PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―


長江先輩がポケットからスマホを出した。



「四月十七日、十三時十九分ね。前んときはここで軽くケンカしたけど、今回どうする? そろそろ休戦しない?」



長江先輩は、ぐるっとわたしたちを見渡した。


海牙さんが口を開きかけて、やめた。


煥先輩が足を踏み替えた。


わたしは両手の指をきつく組み合わせた。


長江先輩が再び言葉を発した。



「海ちゃんは今、何も言えないよね。今までのやり方じゃ、壊れるもんね。あっきーも、混乱中って顔してるよ。ま、あんな大胆なことしちゃったからね。

鈴蘭ちゃん、ごめんね。めっちゃ苦しい思いさせた。休戦宣言を信用しろってのは酷かな?」


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