PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―


長江先輩の言葉に、同意する声がある。


声なき声の波動。


朱獣珠、玄獣珠、そして青獣珠。


命の消滅に関与した宝珠たちが、その記憶を忌み嫌っている。



煥先輩が、わたしのほうを向かずに告げた。



「前にも言ったはずだ。あんたの覚悟ひとつだろ? 違反者かそうでないか、あんたが自分で必要だと思うとき、試してみりゃいい」


「わたしが違反者なんでしょう? 覚悟を決めるときっていうのは……死んでいいと思えるとき、でしょう? そんなの、わたし、やっぱり……」



煥先輩は小さくかぶりを振った。



「たぶん違う」


「どうして?」


「直感」



煥先輩は言葉が足りない。


何を考えているのか、本当にわからない。


< 312 / 555 >

この作品をシェア

pagetop