PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
長江先輩の言葉に、同意する声がある。
声なき声の波動。
朱獣珠、玄獣珠、そして青獣珠。
命の消滅に関与した宝珠たちが、その記憶を忌み嫌っている。
煥先輩が、わたしのほうを向かずに告げた。
「前にも言ったはずだ。あんたの覚悟ひとつだろ? 違反者かそうでないか、あんたが自分で必要だと思うとき、試してみりゃいい」
「わたしが違反者なんでしょう? 覚悟を決めるときっていうのは……死んでいいと思えるとき、でしょう? そんなの、わたし、やっぱり……」
煥先輩は小さくかぶりを振った。
「たぶん違う」
「どうして?」
「直感」
煥先輩は言葉が足りない。
何を考えているのか、本当にわからない。