PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
「直感って、それだけじゃ説明になってません。だいたい、煥先輩はさっきも……さっきっていうか、今日の夜っていうか、
どうしてわたしの傷を治そうとしたんですか? 放っておいてくれれば、ハッキリしたのに」
「できるか、バカ。何分間あの状態で見てろって? その光景に耐えられる人間がいるかよ? 反射的に、どうにかしようと思うもんだろ?」
横目でにらまれる。
真剣な怒りに、金色がキラキラしている。
長江先輩が、手に持ったままのスマホを振った。
「とりあえず、連絡先、交換しない? この先どんなふうに進むとしても、フツーに連絡とれるほうが便利でしょ?」
そういえば、わたし、煥先輩の連絡先すら知らない。