PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
煥先輩と海牙さんがスマホを取り出した。
二人とも休戦に同意ってことだ。
わたしもポーチからケータイを出した。
三日月ストラップがゆらゆら揺れるケータイに、三人の視線が集中する。
「珍しい型を使ってるんですね。お年寄り向けですか?」
「ち、違いますっ。一応普通の、全年齢向けのタイプ……だと、思います」
「不便じゃねぇのか?」
「スマホ使ったことないからわかりません。でも、わたし、ネット経由で音楽を聴いたり動画を観たりしたことないし、
電話とメールができれば人と通信できるし、気になった情報をちょっとだけ調べたりブログを見たりするのは、この型でもできますし」