PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
空気の温度が急に上がったように感じた。
ドキドキして顔が熱い。
わたしはさりげなく煥先輩から離れた。
長江先輩が海牙さんの肩に手を載せた。
「腹、減ってないかい? どっかに何か食べに行こうよ」
「ええ、まあ、そうですね」
「海ちゃんは人一倍、運動量があるんだから、きちんと補給しなきゃ倒れるよ。さ~、行こう行こう! ってことで、じゃ~ね、お二人さん」
長江先輩が海牙さんを連れて屋上から出ていった。
ドアが閉まる。
煥先輩と二人きりにされた。
胸の鼓動が、ありえないくらい速くなる。