PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―


襄陽学園に入学して初めて保健室に行った。


保健室には、カウンセリング用の小部屋が併設されている。


教室に行けない生徒が自習するための小部屋も、その隣にある。



わたしが今どんなふうに具合が悪いのか、何とも言えない。


胃が痛いのは確かだった。


睡眠不足で、食欲もない。


巻き戻す一日は長すぎて、精神的にひどく疲れている。



幸いベッドが一つ空いていて、そこで休ませてもらうことになった。


横になってみるけれど眠れるはずもなくて、涙がとめどなくあふれてきた。



煥先輩が好き。



誰よりもステキな声をしている。


本当は繊細で純粋で優しい。


笑顔を見せてくれない。


強くて傷付きやすい心の持ち主だ。


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