PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
突然。
【お呼び出し申し上げま~す。鈴蘭ちゃ~ん、あっき~、今どこいるの? 教室にいないっぽいけど、校内にいる? いたら返事して~。
ちょっと話し足りないんだよね。メールでも電話でも、待ってま~す】
頭の中に直接響いてくる、長江先輩の号令《コマンド》だった。
わたしはポーチからケータイを出した。
わたしも話し足りない。
煥先輩に誤解されたままなのはつらい。
新規メール作成。
宛先は、煥先輩と長江先輩と海牙さん。
〈鈴蘭です。保健室で休んでいます〉
それだけ書いて送信した。