PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―

「わたしの持ってるものは軽いから」



わたしのメールに返信したのは海牙さんだった。


長江先輩のスマホから送信されていた。



〈海牙です。今から保健室に向かいます。ちなみに、ぼくのスマホは充電切れです。悪しからず〉



充電切れ?


抜け目がないように見えて、海牙さんって、意外とそうでもないのかな。


それとも精神的な余裕がないせい?



十分くらい後、いきなり長江先輩の声が聞こえた。



【保健室の皆さ~ん! 今からお昼寝タ~イム! 授業終わりのチャイムまで眠っててね】



波のような風のような、熱を持った何かが、ぶわっと保健室を吹き抜けた。


長江先輩のチカラだ。


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