PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
わたしは起き上がって、ベッドのカーテンを開けた。
養護の先生がデスクに突っ伏している。
別のベッドのカーテンの向こうから、いびきが聞こえた。
「これが号令《コマンド》?」
ドアが開いた。
長江先輩と海牙さんがわたしを見付けて、それぞれの仕草で軽く手を挙げる。
「お邪魔しま~す。うん、寝てる寝てる。耐性がある人はいないっぽい」
「失礼します。さすが、襄陽は保健室も広くてキレイですね」
「キレイなのは部屋だけじゃないよ。襄陽の保健室は、先生がキレイってので有名」
「ほんとですか?」
「ほんとほんと」
長江先輩と海牙さんがデスクに近付いた。