PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―


養護の先生は、たぶん三十歳くらいだ。


背が高くて、日本人離れしたスタイルの持ち主で、でもサバサバとして清潔感あふれる印象だから、嫌味がない。



長江先輩が先生の肩に手を掛けて、突っ伏していたのを抱き起こした。


先生はそれでも目を覚まさない。



「ね、美人でしょ。露出度低いけど、この大迫力のバスト、ヤバくない?」


「約八百七十九ミリメートルですね。アンダーとの差分は約二百十九ミリメートル」


「力学《フィジックス》って、そんな数値まで見えんの? ずるい~」



「ぼくだけの特権です」



八百七十九ミリメートルって、バスト88で、アンダーがマイナス二十二センチくらいなら、カップはFだ。


メリハリボディなんだ。


脚も長いし、うらやましい。



じゃなくて!



「二人とも失礼すぎます!」


< 328 / 555 >

この作品をシェア

pagetop