PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
養護の先生は、たぶん三十歳くらいだ。
背が高くて、日本人離れしたスタイルの持ち主で、でもサバサバとして清潔感あふれる印象だから、嫌味がない。
長江先輩が先生の肩に手を掛けて、突っ伏していたのを抱き起こした。
先生はそれでも目を覚まさない。
「ね、美人でしょ。露出度低いけど、この大迫力のバスト、ヤバくない?」
「約八百七十九ミリメートルですね。アンダーとの差分は約二百十九ミリメートル」
「力学《フィジックス》って、そんな数値まで見えんの? ずるい~」
「ぼくだけの特権です」
八百七十九ミリメートルって、バスト88で、アンダーがマイナス二十二センチくらいなら、カップはFだ。
メリハリボディなんだ。
脚も長いし、うらやましい。
じゃなくて!
「二人とも失礼すぎます!」