PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
長江先輩は大げさに顔をしかめた。
海牙さんが声をたてて笑う。
わたしだけが怒っている。
「非常識すぎます!」
「でも、煥《あきら》くんが無防備に寝ている姿なら、鈴蘭さんも見てみたいでしょう?」
「な……え、そんなっ」
海牙さんの不意打ちに、わたしはとっさに答えられなかった。
海牙さんは追い打ちをかけてくる。
「彼の髪、サラサラですよ。戦ってるときに何度か触れましたけど。それに、彼の顔のパーツの座標は理想値に近似しています。左右の誤差も非常に小さいですよね。
数値的に、とても整った顔立ちだと証明できます。特徴的なのは、まつげの長さでしょうか」