PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
椅子に掛けた長江先輩が脚を組んだ。
「おれもね、朱獣珠に願いを掛けない。絶対にそれだけはやらない。朱獣珠の預かり手って役回りも、すごいイヤだ。鈴蘭ちゃん、おれの親父が誰か教えたっけ?」
「襄陽学園の理事長先生でしょう?」
「うん、そう。この学園のこと、デカくてすご~いって思う?」
「設備とか、いろいろすごい学校だと思います。キレイだし、芸術系のコースもあるし」
長江先輩が口元を歪めて、皮肉な笑い方をした。