PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
長江先輩が立ち上がった。
海牙さんが知恵の輪をポケットにしまった。
「そろそろ授業が終わっちゃうね~。チャイムが鳴ったら、みんな起きるよ」
「その前に、ぼくは退散しないとね。大都に戻ります」
長江先輩と海牙さんが廊下のほうへ向かう。
「待ってください! わたしのこと、さ、刺さないんですか?」
長江先輩がニッと笑った。
海牙さんが髪を掻き上げた。
「おれはもうイヤだって言ったじゃん」
「青獣珠と相談して、自分で判断してください」
二人が保健室を出ていく。
全員が眠りこけた部屋に、わたしは取り残された。