PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―


「は、はい。疲れてるだけなので」


「調子が戻ってるようには見えないけど?」


「いろいろ重なって、悩んでしまって。あの、文徳先輩も保健室に用事ですか?」


「保健室というか、保健室にいる鈴蘭さんに用事、だな。煥《あきら》から、話を聞いてあげてほしいって頼まれたんだ。

おれでよかったら相談に乗るよ。六時間目、一緒にサボらない?」



煥先輩がわたしのことを気に掛けてくれている。


でも、勘違いもしている。


わたしは煥先輩自身に迎えに来てほしかったのに。


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