PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
しばらくして、雄先輩が来た。
亜美先輩と牛富先輩もまもなく合流した。
小夜子が明るい顔で自己紹介をする。
煥先輩のファンという言葉に、みんな楽しそうな表情をした。
わたしはごまかし笑いを浮かべるだけで、小夜子の積極的なところについて行けない。
通し練習が始まっても、煥先輩は来なかった。
わたしも小夜子も、じっと黙ったままで、歌の入らない演奏を聴き続けた。