PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
「平井さんは、あの、どういうかたなんですか?」
「私がどういう化け物なのか、と?」
「いえ、その……」
「私が持つチカラは化け物並みだよ。ただし、チカラを容れた器のほうは、ただの人間だ。腕相撲なんかしたら、高校生には負けてしまう。のども渇くし、おなかもすく」
平井さんは、空になった紙コップを振ってみせた。
コンビニのレジで買えるコーヒーだ。
「みんなは何を平井さんと話したんですか?」
「まあ、それぞれだね。阿里海牙くんは、自己分析。長江理仁《りひと》くんは、経過報告。伊呂波煥《いろは・あきら》くんは、決意表明。
十代のみずみずしい感性はいいね。海牙くんの過去、理仁くんの現在、煥くんの未来。それぞれのヴィジョンは鮮烈で、まぶしかった」