PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
「でも、地に足が着かないのは不安です」
「海牙くんの悩みと似ているかもね。未処理の情報だらけだから、息苦しい。まじめな人間ほど、その感覚に陥(おちい)る」
わたしは海牙さんほど切羽詰っていない。
中途半端だ。
「平井さんはすべてわかってらっしゃるんですよね?」
「わかっているよ」
「じゃあ……」
「一つずつ解きほぐそうか。以前、海牙くんが疑問を整理してみせたね。違反者の願いの内容、禁忌と巻き戻しの関係、ツルギが巻き戻しの要因になる理由。
今わかっているのは、どれだ?」