PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―


「でも、地に足が着かないのは不安です」


「海牙くんの悩みと似ているかもね。未処理の情報だらけだから、息苦しい。まじめな人間ほど、その感覚に陥(おちい)る」



わたしは海牙さんほど切羽詰っていない。


中途半端だ。



「平井さんはすべてわかってらっしゃるんですよね?」


「わかっているよ」


「じゃあ……」


「一つずつ解きほぐそうか。以前、海牙くんが疑問を整理してみせたね。違反者の願いの内容、禁忌と巻き戻しの関係、ツルギが巻き戻しの要因になる理由。

今わかっているのは、どれだ?」


< 383 / 555 >

この作品をシェア

pagetop