PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―


雷に打たれたように感じた。



「それじゃ、平井さんの宝珠は……」


「この地球上で触れられる最も大きな球体は地球、すなわち『大地聖珠《だいちせいしゅ》』。

私はこの星の預かり手だ。おかげで、途方もないチカラを授かっている。顔を上げてごらん?」



平井さんの言葉は、絶対の命令だった。


わたしは命令に服従する。



そのチカラは『掌握《ルール》』。


完全なる支配者が持つ、圧倒的なチカラだ。


平井さんの存在は、きっと神に似ている。



【多神教的な立場に立つならば、似ているかな? しかし、私は天地創造などしていないよ。この肉体も老いる。そうした意味では、ただの人間に過ぎない】



頭の中に響き渡る声は強すぎて、ひれ伏したい衝動に駆られる。


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