PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
「チカラが大きければ大きいほど、禁忌も制約も大きくなくてはならない。そうでなくては、運命の一枝など、一瞬で簡単に滅んでしまう」
ポーチの中で、青獣珠がうなずくように呼応した。
――チカラは均衡しなければならない――
願いと代償のバランス。チカラと禁忌のバランス。
それらは、釣り合わなくてはならない。
青獣珠が言った「因果の天秤の均衡」って、このバランスのことなんだ。
「この病んだ一枝は滅びますか? ツルギが違反者を排除しなければ、ここに存在するすべてが滅んでしまうんですか?」
「何年何月何日に滅ぶ、と予言することはできない。遠い未来のことかもしれない。謎を解いて真実に近付くことが怖いのかい?」