PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―


声が、夜気をひそやかに貫いた。



「謎を解くしかねぇだろ。白獣珠がツルギになって、役割を果たせって言う。チカラの意味を知るチャンスだ。

自分が生まれた意味も生きてる意味も、役割を果たせば、少し見えんだろ? だったら、オレはやる」



煥先輩は言い切った。


黒いライダースーツを着ている。小脇に抱えたヘルメットも黒だ。



平井さんがわたしの背中を優しく押した。



「お迎えが来たようだね。気を付けて帰りなさい」



わたしは平井さんにお辞儀をした。


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