PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
「邪魔をしないでね、大地の主。こんなに胸が熱いのは初めてなの。これが恋なのね。永遠の時間の流れの中で、初めて知った感情よ」
「私は邪魔などしないよ。できないのだ。私が禁忌を犯せば、大地聖珠が滅ぶのだから」
「ならば安心ね。わたしは止まらない。動き出した願いはもう止められないのよ」
その言葉の響きに、強烈な既視感がある。
わたしは彼女を知っている。
同化しそうなほど、よく似た願いをいだいた。
だから、お互いの感情とチカラが干渉し合った。
わたしは彼女の願いを聞いたことがある。
「小夜子、あなたは……」
「気安く呼ばないで」
小夜子が正面からわたしを見た。
微笑みはない。
ゾッとするほど美しい顔立ち。
漆黒の目に銀色の光が宿っている。